Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

幸い他に誰も利用してなかったから、巻き込むことはなかったが、沙耶は1番下まで転がり、そのままグッタリ動かなかった。


「沙耶!!しっかりして!」


駆け寄り、身体を揺さぶっても反応はない。


頭から血を流し、辺りを真っ赤に染めている。


「救急車…っ」


震える指で119を押し、電話をかける。


『火事ですか?救急ですか?』


沙耶の頭から血が流れ続けて止まらない。


「きゅ、救急です」


すでに赤い水溜まりが白い床に広がっている。


正確な位置と沙耶の状態を告げ、電話を切る。


「沙耶…っ」


どうしよう…こういうときどうしたらいいの…?


まともに学校に行ってないあたしは無知だ。


どうすればいいのか分からない。


周りの大人たちも見てるだけで助けてくれない。