Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

喧嘩になったらあたしは役に立てないのに、宮瀬はすぐ煽る。


「俺が総長だけど?何か文句ある?」


2階から見下ろす人影がそう言った。


2階まで上がるにはこの人数を突破しなきゃいけない。


「行くぞ」


ボソッと呟き、ナイフを取り出す宮瀬。


容赦なく切り付けるらしい。


それでいいならあたしも多少は役に立つ。


さっと視線を交差させてから、あたしと宮瀬は不良の大群の中へ飛び込む。


「なるべく俺から離れんな」


「わかった」


ガタイのいい男が数人同時に殴りかかってくる。


それをすべてかわし、そのまま駆け抜ける。


なるべく手を汚したくない。


処理が面倒だ。