Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

夜の静かな街で二人肩を並べて歩く。


変に緊張してきてしまった。


あたしたちの足音だけがアスファルトにこだまする。


今日は月が綺麗だ。


「…さすがに高校生だから殺さないでしょ?」


静かな空にあたしの声が消えていく。


華月は大半が高校生、たまに中学生がいるくらいだ。


いくら宮瀬でも殺したりはしないはず。


もし殺すようならナオに連絡しなきゃ…。


「場合によるだろうな。もし殺るんなら、実行はお前だ。処理はプロがやるから安心しろ」


宮瀬が手を突っ込んでいるポケットから、金属が擦り合う音がカチャカチャ聞こえる。


ナイフなのか拳銃なのか。


宮瀬から出る冷たいオーラが熱帯夜の街を冷やしていく。