誰に対して言われた意見なのか、一瞬考えてしまった。

「え、わたしのですか?」
「うん。先方からもそう言われたの。助かったわ」
「それは……良かったです」

わたしに対する攻撃が止んだ後の朝倉さんとちゃんと話すのは初めてだった。
こんなに人は変わるのか。
いや、変えたのか。

わたしも変わるのだろうか。

エレベーターをおりて、立ち止まる。

いや、変えられる、はずだ。

ずっと狭い生け簀の中を泳いでた。
そこから出して欲しいと思ってた。

出して貰ったのだから、わたしはわたしに向き合わないといけない。