「浅黄さんが、良かったです」 そう言えた。虹がかかるかどうかは、まだ分からないけれど。 ちょっとだけ浅黄さんが笑う気配がした。 「おはようございます。最近、浅倉さん静かですね?」 秋も去り始めたなあ、と始業前に指輪を検索していると、五色くんが隣に座った。 「……確かに」 私生活で色々ありすぎて、あまり浅倉さんのことを考える余裕がなかった。