「起きてるかなぁ杏ちゃん」

そんな声が入り口でしたかと思いきや、勝手にずけずけと病室に入り込み、杏の顔を覗きこむ。

「また来たんですかぁ、、、
服部先生…」

顔をしかめて迷惑だと言わんばかりの態度をとるが、ヤツは俺を無視して歩と杏に笑いかけて杏に手を伸ばす。

「可愛いなぁ。
起きたら抱くんだがなぁ。」

「…そんなに子供ほしいなら作ればいいじゃないですか」

「ん?
子供か。欲しいよなぁ。でも三日前にようやく入籍したんだぞ?
まだまだ二人で過ごしたいだろ。

なぁ、だから杏を可愛がるんだ」

柔らかな頬をそっとつつく服部先生は、まるで我が子を見るように目を細めてデレデレで、もはや俺の子なのか服部先生の子なのかわからない状況だ。