「くーっっ!可愛いなぁ。一ヶ月くらい有休とってずっと一緒にいたいなぁ」

出勤前に顔を出し、昼休みに訪れて、仕事が終われば就寝時間ギリギリまで歩の個室にいりびたる。

杏が生まれてから三日、俺は朝から晩まで産科病棟の歩の病室に居座り、産まれたばかりの俺たちの子供をあきもせずに頬を緩ませ眺めている。

「渉にそっくりでほんとに可愛い。美人さんになるよねぇ」

ぐっすり眠る杏の小さな手にふれ、折れてしまいそうな小さくて細い指をそっと撫でる。

俺と愛しい歩と、そして可愛いくてたまらない杏との幸せな時間。

最近、その貴重な俺たち家族の時間を邪魔するヤツがいる…


あぁ、、、ヤツの足音が聞こえてきた…
決まって昼休みに現れる…