私のあとから医局に入ってきた先生は、二人の様子を見て私の顔を覗き見ると、すぐさま抱き寄せて着ていた白衣で私を包み込んだ。

「お前…そんな表情他の奴等に見せんなよ。タラシこむな」

「ちがっ!」

白衣の中でもがいてみても、ぎゅっと抱き締められてその腕の中から抜け出せない。

「服部先生!!
朝から院内で何してるんですか!」

師長の一喝で私は直ぐに解放された。

「いや、ちがっ…師長…」

「しばらく高橋さんは病棟から外来に移します!
少し離れて頭を冷やしてしっかり服部先生は仕事してください。
わかりましたね!」

「師長ぉぉ、それだけは勘弁してくださいよぉ。
、、、外来に行くなら俺も外来に行きます。

駄目なら仕事しません」

不貞腐れてどかっと椅子に腰かけた先生を見て、師長が長いため息をつきながらクスクス笑う。