「その節は大変お世話になりました。
百瀬歩です。
宜しくお願いします」

二人に軽く会釈しにっこり笑う歩に、葵ちゃんが満面の笑みを浮かべる。

「宜しくね、歩さん。
ほんとに、虎太朗の言ってたとおり綺麗な人…真っ黒で艶やかな髪も綺麗…」

「ありがとうございます。
私より、葵さんのほうが綺麗じゃないですか。
お二人は幼馴染みなんですよね。
素敵なご夫婦ですね。
羨ましいな」

「 大丈夫。
坂口くんとお似合いだから。
それにこんな柔らかく素で笑ってる坂口くんはじめてみるよ?
いい夫婦になれるよ歩さんも」

葵ちゃんの言葉にポッと頬を染めた。