「はぁ……」

外科の医局に居座りため息をつく俺を、オペ後の家族説明を終えた疲労感満載の服部先生が、医局に足を踏み入れ顔をしかめじろりと睨む。

「なんでお前がいるんだよ」

不機嫌なままどかりと椅子に腰かけた。

「服部先生……」

「なんだよ」

「大切な女って以外と手が出せないものなんですね…」

ふぅーっとため息をつくのと同時にドカっと服部先生に蹴り飛ばされた。

「痛ってーっ!!」

「お前俺に喧嘩売りに来たのか!
人の彼女に手ぇだしたお前がなにふざけたことぬかしてんだよ!!
とっとと出ていけ!

だいたい俺はお前の顔なんて二度と見たくもないし、口も聞きたくない。
外科に近づくな!
うろつくな!
俺の前に現れるな!
ついでに、
麻美にも話しかけるな!」

服部先生は腕を組んで不機嫌なまま俺を睨みまくしたてた。