どう切り出そうか?
思案しながらビールを無言で飲んでいると晒名がとんでもないことを口にした。

「 そういえば、この間院内のカフェの女のこが仕事中に倒れて運ばれてきてさ。

腹膜炎でかなりヤバイ状況でオペしたけど腹部に見事なタトゥー。

レントゲンとれなくてまじまいった」

「おい!虎太朗、守秘義務だろ。」
佐久間が晒名をたしなめる。

「ちょっとまて!
今なんていった!?」

「守秘義務」

ばん!と思わずテーブルを叩く。

「違う!
タトゥー。
桃の花じゃなかったか?漆黒の艶やかな長い髪の美人」

「坂口の知り合いか?」

見つけた!

「ずっと探してる俺の好きな女。
腰から脇腹にかけて桃の花のタトゥーがある。
モモ。名前を知らない。
教えてくれ、頼む。」

頭を下げる俺に三人がニヤリと笑う。

「今日は坂口のおごりだな」