「私とモモにはね大切な人がいるの。ずっと、たぶん一生忘れることのない大切な人。

私たちは待ってなんかいない。
だって、もう会うことはかなわないんだから」

あぁ、そういうことか。
彼女の寂しげな顔とモモが俺に向けた寂しげな顔の意味を理解する。

二度と会うことがかなわないかつての恋人。

ともに同じ時を刻み、一緒に生きていくことがかなわなくなってしまった…失ってしまった命…。

「ねぇ、モモを前に進ませてあげて。モモを幸せにしてほしい」

「もちろん。何があってもひくきはない。

SAKURAちゃんは?
前に進めてるの?」

俺の質問に目の前の彼女は優しく目を細めて

「私は毎日ハッピーdayだよ。
ちゃんと私も踏み出しはじめてるから」

と指を立ててピースサインをして見せた。

あぁ、早くモモに会いたい。
昼間のモモを見つけたい。
愛しい彼女を俺は早く抱き締めたかった。