オーナーに頼み込み、踊り終えたSAKURAちゃんの控え室に通してもらった。

ミネラルウォーターを飲んでいた彼女は、俺の姿を目にとめ

「モモからの伝言。」
とにっこり笑い話し出した。

「ひと月ほど夜も昼間の仕事もお休みする。いったん休憩。

また、ステージに戻ったら見つけてくれって。なに?モモとかくれんぼでもしてるの?」

「まぁそんなかんじかな。
なかなか見つけられなくて苦戦してる。なんでひと月もいないの?」

「さぁ?
教えられない。モモから口止めされてるから。

ねぇ、モモのこと好きなんでしょ?」

「もちろん。
彼女にも伝えた。でも、抱かれてもいいけど付き合うことは約束できないって。
なんでかな。

大切な人ってやつを彼女は待ってるの?」

ふぅっとため息をついて困り顔の俺に、SAKURAちゃんは 眉毛を下げて寂しそうに笑った。