見つけられないままひと月がたった。

今夜は木下とともに俺はサライを訪れていた。

木下とはじめて来てから今までの出来事を話すと

「お前でも簡単に落とせない女がいるんだな」
とニヤニヤしながら笑う。

「しかも坂口らしい口説きかただな。そんな爽やかな王子様みたいな見た目のくせに昼間から堂々とホテルに誘うかな」

「しかたないだろ。
いい女なんだから。」
肩をすくめて笑うと
「たしかに滅茶苦茶いい女だ。
俺に感謝しろよ?」
とニヤリと笑う。
店内の照明が少し落とされ、エキゾチックな曲が流れ始める。

明るく照らされた舞台にゆっくり姿を現したのは、桜のタトゥーを妖しく揺らしながら踊るSAKURA ただ一人だった。