゙モモ"
手掛かりはその呼びなと彼女の漆黒の艶やかな長い髪だ。

翌日パソコンでスタッフの名前を片っ端から検索する。

ドクター、ナース、病院職員パソコンで調べられる名簿には"モモ゙という名前は見当たらなかった。

病院に出入りしている人間は他にもたくさんいる。

入院患者の食事を提供している栄養科、入浴介助スタッフ、清掃スタッフ、簡単に見つけられると思っていたのに彼女をなかなか見つけられない。

週末は相変わらずサライに通い、モモは隠れるのが上手いなと俺は苦笑いしながら彼女と言葉をかわす。
モモは舞台を終えると薄いメイクをほどこして、俺のテーブルにつき、一杯のドリンクを飲み干す間だけの時間をともに過ごしてくれる。

そんな俺たちを、オーナーや常連客、彼女とともに踊るSAKURAちゃんが優しく見守っていた。