「ねぇ虎太朗…」

夕飯を食べながら、最近ずっと考えていたことを、思いきって口にしようと彼に呼び掛けた。

「そんな神妙な顔して何かあった?」

虎太朗がじっと私を見つめて、眉間にシワを寄せた。

「えっと…病院に…行こうかと思って…」

虎太朗の顔が険しくなる。

「体調悪いのか、葵!」

「ううん、違うの。
その…ちっともできないから…産婦人科で検査しようかと思って…」

「……」

黙り混んだ虎太朗が困ったように眉毛を下げて私をじっと見つめた。

「…もう少し待ってみないか?

俺は、ずっと二人でもいいと思ってるよ。

来月、まとめて休みとれそうだから葵も仕事休めないか?

ゆっくり旅行でもいかないか?」