幸いにも店内には、彼以外お客はいなかった。
動けないでいる私に、カウンターから出てきたマスターが
「たち話もなんだから座って二人で話しておいで。
どうぞ」
と彼に奥のテーブルに座るように促して、私にも彼の目の前に座るように、動けないでいる私の肩をたたいた。
「すみません、突然押しかけて。
俺、平賀拓実(ひらがたくみ)っていいます」
目の前の彼ははにかみながら頭を下げた。
「俺、桜木先生のクラスの生徒だったんです。」
彼はそう言うと私に一枚のフライヤーを差し出した。
「来月、゙Black mist"の前座で演奏することになって。
修二さんがサクラさんに会いたがってました。
先生が…あんなことになってから姿を見せなくなったサクラさんのこと心配してます」
「えっ?」
眉間にシワを寄せ、目の前の彼を怪訝な顔をして見つめた。
動けないでいる私に、カウンターから出てきたマスターが
「たち話もなんだから座って二人で話しておいで。
どうぞ」
と彼に奥のテーブルに座るように促して、私にも彼の目の前に座るように、動けないでいる私の肩をたたいた。
「すみません、突然押しかけて。
俺、平賀拓実(ひらがたくみ)っていいます」
目の前の彼ははにかみながら頭を下げた。
「俺、桜木先生のクラスの生徒だったんです。」
彼はそう言うと私に一枚のフライヤーを差し出した。
「来月、゙Black mist"の前座で演奏することになって。
修二さんがサクラさんに会いたがってました。
先生が…あんなことになってから姿を見せなくなったサクラさんのこと心配してます」
「えっ?」
眉間にシワを寄せ、目の前の彼を怪訝な顔をして見つめた。