住所を伝えると数十分後にタクシーでうちに来た。

初めて…うちに来て、初めて…二人っきりで話す…

「こんな時間にごめん。
どうしても会いたくて。
みんなに邪魔されて、帰してもらえなかった。
酒臭いけど勘弁して…」

そう言うなりぎゅっと抱き締められた。

「悠希…って呼んで…いい…?
ダメならユウって呼ぶ…」

「ダメじゃないよ。
呼んで…名前で」

大翔の背中に腕を回して力を込める。

「悠希…愛してる…」


二度目の口付けは長く深く、ほろ苦いお酒の味がした。