「ってかいつまでも、いちゃついてんな!

ライブ中だ大翔!ステージに上がってこい!」

マサキにもう一度どやされて、抱き締めついる腕を離す。

真っ赤な顔の私に、自分が被っていたハットを深く被せてくれた大翔が耳元で
「一緒に帰ろう」と囁いてステージに飛び乗った。

私は一目散にモモのもとへ走りより、モモにぎゅっと抱きついた。

「恥ずかしい…」

「よしよし」

モモが私の背中を優しく撫でる。

「でもほら、前見よう?

くろちゃんも、同じくらい照れまくってめっちゃ可愛い」

とクスクス笑う。

そっと顔をあげて、目深に被せられたハットの隙間からステージを見上げると、同じくらいいや、私以上に真っ赤になっている大翔がメンバーからからかわれていた。