「しかも今日は特別バージョン!!

本来は二番までしかないんだけど、さっき大翔がソッコー三番まで作詞したから、本当に初披露だぞ。

居合わせたみんなホントにラッキーだ。

たぶん、今日の大翔は二度と見れない姿をたくさん見せるからかなりレアだな。」

「なんでー!?」

「どうしてー?」

複数上がる声に少しだけ頬を朱に染めた大翔が目を細めて優しく笑いながら

「俺の好きなコが来てるから。

あっ…まだ本人にちゃんと告白してないんだ俺…」

被っていたハットで慌てて顔を隠す。

「大翔ー、頑張れー!」

「今言っちゃえー!」

沸き上がる声に大翔はハットをかぶり直して

「みんなありがとう。

告白はあとで二人っきりになってからするよ。

今は恥ずかしいし…それに…ここからじゃ抱き締められないし、、、キスできない」

「うわっ!
エロいなこいつ!
ソッコー襲う気かよ!」

会場内から笑いが起こる。


「ってことで大翔、心の準備はできたか?」

「あぁ、大丈夫だ」


「じゃあ、大翔渾身のラブソング。

〈さくら〉!!

歌うのはもちろん!!」


「「大翔ー!!!」」


観客の声がライブハウスにこだました。