帰り際に彼は

「週末から全国ツアーが始まるから残念だけどしばらくここにはこれないんだ。

来月、下北でまってるから。」

ふわりと微笑んだ。

「俺白崎大翔(しろさきやまと)。
まだ名前を伝えてなかったよね。

さくらちゃん、またね」

「気をつけて。
いってらっしゃい、大翔…さん」

「うん。いってきます」

はにかんで笑う彼は、名前を呼ばれて瞬く間に赤くなる。

純粋で純情な可愛らしい人だ。

思わず外まで出て大きく手を振り見送った。

「大翔、いってらっしゃい!」

振り向いた大翔が嬉しそうに笑い手をふりかえしてくれた。