「…清算、させて欲しい…」 その言葉の意味を分かりたくなかった。 だから、私は小首を傾げて真正面から、不思議そうな顔をわざとして約27cmほど高い彼の顔を見上げた。 「……何を?」 それでもやっぱり私の声は自分でも驚くくらい硬かった。 でも、そんな私に対して、静かに彼は宣告した。 「今までの、時間を……」 「…は?」 「ごめん…」 その後は。 彼の謝る言葉だけが、部屋に響いた。 誰か…嘘だと言ってよ……。