「べつに杉浦くんのせいじゃ.......」


「いーや、こーいうの予測してなかった俺の責任だ。よし、ここなら大丈夫だろ」



比較的、端の方にある空き教室のドアをあける。



「ほら、俺後ろ向いてっからTシャツに着替えちまえよ」


「あたしがこれを着てもいいのかな.......」


「なんで、そーなるわけ」



はぁっとため息をつく。
後ろを向いているから、どんな表情をしているのかはわからない。



「あの子たち、あたしのことをよく思ってないみたいだし」


「それ、なんか関係あるか?」


「だって、クラスの一員だって認められたわけじゃない」



認められなくたって、構わないし、こういう行事だって参加しないって思ってた。
なのに、杉浦くんや水戸さんがあまりに真剣だから。



「誰にでも気に入らねーやつくらいいるだろ。お前はみんなに気に入られなきゃ一員に.......」



あたしの言葉に振り向いた杉浦くん。
だけど、あたしがタオルも全部とった状態で、ボタンを閉めていないブラウスに気がついて、すぐに前を向く。
「悪ぃ」と耳まで赤くしながら小さな声で呟いて。