「つまり、ね、寂しかったの。だから、陽菜、次に同じようなことがあったら、絶対に教えてよ~?」

 真顔で言われて、戸惑いつつも頷く。

「……えっと…はい」

 同じようなことはあって欲しくないけど、もしあったとしても、カナがお休みだって教えるくらいはできる。

 しーちゃんの話は止まらない。

「ランチもさ、木曜日だけじゃなくてもっと一緒しようよ? 後、休みの日もたまには会いたいな?」

「うん」

 そうだね。
 同じ大学にいるんだもん。わたしだって、叶うことなら、もっといっぱい会っておしゃべりしたりしたい。

 高校生の時は毎日会っていた。今もカナはずっと一緒だし(今週は違うけど)、新しい生活と勉強が忙しくて、高校時代を懐かしく思う間もなかったけど、こうやって他愛もない話をしていると、やっぱりとても楽しい。

 それに、昔から良く知っている人に囲まれていると、どこかホッとして肩の力が抜けるような気がする。

 しーちゃんと笑いあっていると、晃太くんが隣からトントンとわたしのほっぺたをつついた。

「ハルちゃん、お弁当食べないと、時間足りなくなるよ?」

「あ…ホントだ」

 気が付くと晃太くんと斎藤くんはすっかり食べ終わっていて、しーちゃんも八割方食べ終わっていた。

「わぁ! ごめん、陽菜」

「ううん。これから頑張って食べるから大丈夫」

 しーちゃんに笑顔を見せてから、わたしは慌ててお弁当に手を付けた。