なんて言うか……すごく強い風が通り過ぎていったみたいな感じ?
呆気に取られていると、晃太くんはふっと笑みを浮かべた。
「気にしなくて大丈夫。まだ時間あるし、ゆっくり食べたらいいよ」
「えっと……はい」
時間があると言っても、薬も飲まなきゃいけないし、移動もある。授業前にトイレにも寄りたい。そう考えたら、余裕たっぷりという程の時間はもうなかった。
わたしは改めて、沙代さんのお弁当に手を付ける。
と、和田さんが申しわけなさそうに声を上げた。
「……ごめんね、変な話題振って」
ちょうど口におかずを入れたところで声が出せず、ふるふると左右に首を振る。
口に入れたつくね団子を咀嚼しながら、ふと晃太くんと和田さんを見ると、二人はもうすっかり食べ終わっていた。
「ハルちゃんてホント、丁寧に食べるよね」
晃太くんがにこりと笑う。
「うん。一口三十回噛むってお手本みたい。食べるの自体もゆっくりだし、だから満腹中枢、その量でも満足するのかな」
続いた和田さんのその言葉に絶句。
しっかり噛まなきゃ、ただでさえ大量の薬で荒れてる胃への負担が大きい。そう思って、やっていたけど、もしかして、そのせいで食が進まないの……!?
だったら、噛まずに急いで食べたら、もう少し食べられて体力が付くとか!?
……まさか、ね。
胃を壊して、ひどい目にあうのがオチだよね。
「えーっとハルちゃん、何を考えてるか想像つくけど、取りあえず食べちゃおうか?」
晃太くんはまたくすくす笑いながら、そう言った。
「あーごめん、俺なんかまた余計なこと言ったかも?」
和田さんは実に申しわけなさそうに頭に手をやった。
わたしは恥ずかしさで顔が上気するのを感じながら、慌てて残りのお弁当に手をのばした。
呆気に取られていると、晃太くんはふっと笑みを浮かべた。
「気にしなくて大丈夫。まだ時間あるし、ゆっくり食べたらいいよ」
「えっと……はい」
時間があると言っても、薬も飲まなきゃいけないし、移動もある。授業前にトイレにも寄りたい。そう考えたら、余裕たっぷりという程の時間はもうなかった。
わたしは改めて、沙代さんのお弁当に手を付ける。
と、和田さんが申しわけなさそうに声を上げた。
「……ごめんね、変な話題振って」
ちょうど口におかずを入れたところで声が出せず、ふるふると左右に首を振る。
口に入れたつくね団子を咀嚼しながら、ふと晃太くんと和田さんを見ると、二人はもうすっかり食べ終わっていた。
「ハルちゃんてホント、丁寧に食べるよね」
晃太くんがにこりと笑う。
「うん。一口三十回噛むってお手本みたい。食べるの自体もゆっくりだし、だから満腹中枢、その量でも満足するのかな」
続いた和田さんのその言葉に絶句。
しっかり噛まなきゃ、ただでさえ大量の薬で荒れてる胃への負担が大きい。そう思って、やっていたけど、もしかして、そのせいで食が進まないの……!?
だったら、噛まずに急いで食べたら、もう少し食べられて体力が付くとか!?
……まさか、ね。
胃を壊して、ひどい目にあうのがオチだよね。
「えーっとハルちゃん、何を考えてるか想像つくけど、取りあえず食べちゃおうか?」
晃太くんはまたくすくす笑いながら、そう言った。
「あーごめん、俺なんかまた余計なこと言ったかも?」
和田さんは実に申しわけなさそうに頭に手をやった。
わたしは恥ずかしさで顔が上気するのを感じながら、慌てて残りのお弁当に手をのばした。



