「それじゃあ、頑張ってね」
三号棟の四階、一限目の教室にハルちゃんを送り届け、教室前の廊下で鞄を手渡す。
ハルちゃんは鞄を受け取ると、
「晃太くん、わざわざ、ありがとうございました」
とペコリと頭を下げた。
律儀だよな~と思いつつ、ふわりと揺れる長い髪が気になり、つい頭に手を置いた。そのまま、何となく、小さい子にするみたいによしよしと手を動かしてしまう。
うーん、柔らかくて気持ちいい。
「晃太くん?」
「あ、ごめんごめん。なんかふわふわして気持ちよさそうだったから」
笑いながら手を引っ込めると、ハルちゃんも笑った。
「こんなのでよければ、いつでもどうぞ」
「あはは。じゃあ、叶太がいない時に、ね。今週はチャンスかな?」
叶太の前でやったら、間違いなく文句を言われる。
ハルちゃんも想像したようで苦笑いを浮かべた。
「じゃあ、終わる時間に、またここで待ってるね」
「え? いいよ、大丈夫! ちゃんと次の教室に自分で移動できるし」
「まあ、初日くらいは叶太の希望を叶えてやるって事で、ね? この時間空いてるから、そう手間でもないし」
話す俺たちの側を通って、学部生たちが一人、また一人と教室に入っていく。
「そろそろ入らないといい席なくなるんじゃない? あ、具合が悪くなって教室を出たり、早めに授業が終わったりしたら、電話ちょうだいね?」
「……うん」
実に申し訳なさそうに、ハルちゃんは頷き、そして教室の中へと入っていった。
三号棟の四階、一限目の教室にハルちゃんを送り届け、教室前の廊下で鞄を手渡す。
ハルちゃんは鞄を受け取ると、
「晃太くん、わざわざ、ありがとうございました」
とペコリと頭を下げた。
律儀だよな~と思いつつ、ふわりと揺れる長い髪が気になり、つい頭に手を置いた。そのまま、何となく、小さい子にするみたいによしよしと手を動かしてしまう。
うーん、柔らかくて気持ちいい。
「晃太くん?」
「あ、ごめんごめん。なんかふわふわして気持ちよさそうだったから」
笑いながら手を引っ込めると、ハルちゃんも笑った。
「こんなのでよければ、いつでもどうぞ」
「あはは。じゃあ、叶太がいない時に、ね。今週はチャンスかな?」
叶太の前でやったら、間違いなく文句を言われる。
ハルちゃんも想像したようで苦笑いを浮かべた。
「じゃあ、終わる時間に、またここで待ってるね」
「え? いいよ、大丈夫! ちゃんと次の教室に自分で移動できるし」
「まあ、初日くらいは叶太の希望を叶えてやるって事で、ね? この時間空いてるから、そう手間でもないし」
話す俺たちの側を通って、学部生たちが一人、また一人と教室に入っていく。
「そろそろ入らないといい席なくなるんじゃない? あ、具合が悪くなって教室を出たり、早めに授業が終わったりしたら、電話ちょうだいね?」
「……うん」
実に申し訳なさそうに、ハルちゃんは頷き、そして教室の中へと入っていった。



