「体調、ねえ? あなた、ずっと二週間以内でいいところを毎週出していたわよね? 今回みたいに、これからは倍の時間をかければいいだけじゃないかしら?」
山野先生は吐き捨てるように言う。
確かに、倍の時間をかけていいのなら、何とかこなせるのかも知れない。
だけど、それでも無理だと思ったから、ハルちゃんは今ここにいるのだと、なぜ先生には分からないのだろう?
少しの沈黙の後、ハルちゃんは話し始めた。
「わたしの持病は、気温が上がって来るこれからの季節、徐々に悪化します」
とても静かに語られるハルちゃんの言葉を聞いても、先生のふてぶてしい表情に変化は現れなかった。
「多分、まともに大学に来られる日が少しずつ減っていきます」
「それが、私に何の関係があると言うの!」
先生が激昂したように、ドンッと机を叩いた。
その動きと音に、ハルちゃんはビクッと身体を震わせた。
「できないなら、できないでいいでしょう!」
「先生」
これはさすがに、と思って口を挟もうとしたのに、ハルちゃんから止められる前に、山野先生が早口に言葉を続けた。
「できなかったから出しません、って、そう言えば済む話じゃないの!?」
そこまで声を荒らげて怒鳴った先生は、フウッと息を一つついて、それからハルちゃんを見据えた。
「で、課題を出さなくて、それで単位を落としたって、それは仕方ない話よね」
山野先生は吐き捨てるように言う。
確かに、倍の時間をかけていいのなら、何とかこなせるのかも知れない。
だけど、それでも無理だと思ったから、ハルちゃんは今ここにいるのだと、なぜ先生には分からないのだろう?
少しの沈黙の後、ハルちゃんは話し始めた。
「わたしの持病は、気温が上がって来るこれからの季節、徐々に悪化します」
とても静かに語られるハルちゃんの言葉を聞いても、先生のふてぶてしい表情に変化は現れなかった。
「多分、まともに大学に来られる日が少しずつ減っていきます」
「それが、私に何の関係があると言うの!」
先生が激昂したように、ドンッと机を叩いた。
その動きと音に、ハルちゃんはビクッと身体を震わせた。
「できないなら、できないでいいでしょう!」
「先生」
これはさすがに、と思って口を挟もうとしたのに、ハルちゃんから止められる前に、山野先生が早口に言葉を続けた。
「できなかったから出しません、って、そう言えば済む話じゃないの!?」
そこまで声を荒らげて怒鳴った先生は、フウッと息を一つついて、それからハルちゃんを見据えた。
「で、課題を出さなくて、それで単位を落としたって、それは仕方ない話よね」



