ハルがふうっと息を吐く。
「ごめんね。……疲れちゃった。寝ようかな」
ハルはそう言うと、ゆっくりと、気だるげに立ち上がった。オレも一緒に立ち上がって、ハルの肩を抱いて支える。
ベッドの掛け布団をめくり、ハルが中に入るのを見届けていると、キュッとハルがオレの袖を引いた。
「……カナも、一緒に、寝よ?」
ハルがオレを真っ直ぐ見上げてきた。
そんなハルの誘いを、オレが断れる訳もなく、
「じゃ、そうしよっかな」
と、オレはいそいそと部屋の電気を消すとハルの隣に潜り込んだ。
そして、ふと思う。
「ね、ハル」
「なあに?」
「特別扱いが、イヤだったんだよね?」
「……ん」
「でもさ、今、嬉しかった山野先生の授業で、ハル、明らかに特別扱いされてるよね?」
オレの言葉に、ハルは、
「……え?」
と小さく声を上げ、その身体が瞬時に固まった。
「だって、ハルだけ明らかに次元の違う課題もらってる訳だし」
「……そう、かな?」
オレの課題もたまに見ているハル。
だから、そこにある大きな難易度の差はきっと分かっている。
「兄貴がさ、ハルがやってるのは、大学四年でやる課題って言われてもおかしくないとか言ってたよ」
「……まさか」
そう言うハルの声には力が入らない。
まさかと言いつつも、きっとハルは分かってしまったと思う。
「そっちの特別扱いなら、気にならない?」
オレの問いは、意地が悪かっただろうか?
ハルの身体がビクリと震えて、ハルが薄明かりの中、オレの方に目を向けた。
「ごめんね。……疲れちゃった。寝ようかな」
ハルはそう言うと、ゆっくりと、気だるげに立ち上がった。オレも一緒に立ち上がって、ハルの肩を抱いて支える。
ベッドの掛け布団をめくり、ハルが中に入るのを見届けていると、キュッとハルがオレの袖を引いた。
「……カナも、一緒に、寝よ?」
ハルがオレを真っ直ぐ見上げてきた。
そんなハルの誘いを、オレが断れる訳もなく、
「じゃ、そうしよっかな」
と、オレはいそいそと部屋の電気を消すとハルの隣に潜り込んだ。
そして、ふと思う。
「ね、ハル」
「なあに?」
「特別扱いが、イヤだったんだよね?」
「……ん」
「でもさ、今、嬉しかった山野先生の授業で、ハル、明らかに特別扱いされてるよね?」
オレの言葉に、ハルは、
「……え?」
と小さく声を上げ、その身体が瞬時に固まった。
「だって、ハルだけ明らかに次元の違う課題もらってる訳だし」
「……そう、かな?」
オレの課題もたまに見ているハル。
だから、そこにある大きな難易度の差はきっと分かっている。
「兄貴がさ、ハルがやってるのは、大学四年でやる課題って言われてもおかしくないとか言ってたよ」
「……まさか」
そう言うハルの声には力が入らない。
まさかと言いつつも、きっとハルは分かってしまったと思う。
「そっちの特別扱いなら、気にならない?」
オレの問いは、意地が悪かっただろうか?
ハルの身体がビクリと震えて、ハルが薄明かりの中、オレの方に目を向けた。



