一体、どこに不安があったのだろう、そう思った。
だけど、目の前のハルは今にも泣き出しそうで、その不安はきっとハルにしか分からないものなのだろうと思った。
そして、ああそうかと納得もする。
誰に言われなくても、むしろ止められても勉強をしようとしたハル。
いつだって、とても真面目に一人、黙々と頑張るハル。
もしかして、誰にも求められない中で、むしろ誰からも止められる中で、一人その意志を貫こうとするのは、オレが思うよりずっと辛い事なのかも知れない、そう、初めて気が付く。
「……ハル」
力いっぱい頑張りたいのに、頑張れない。余力がある時だって止められる。
一人、今のままでいいじゃないと言われる。
もう、それだけできたら十分だと言われる。
だけど、誰かが言う「大丈夫」なんて言葉は、ハルには不安の元でしかなかったのかも知れない。
例えその時、学年トップクラスにいたとしても、体調を崩して長期入院でもしようものなら、呆気なく、一気に転がり落ちる可能性があるのだから……。
実際には、ハルはずっといい成績を保ち続けていた。
多分、ハルはそのために、ずっと、誰が「しなくていい」と言っても、できる限りの努力をし続けていた。
「……なんでかな?」
ハルはポツリと言った。
「けっこう、元気な時だって、無理するなって言われるの」
「……ごめんね、ハル」
多分、その筆頭はオレだ。
ハルはオレの言葉を聞くと、目を大きく見開いて驚いたような表情を見せた。
だけど、目の前のハルは今にも泣き出しそうで、その不安はきっとハルにしか分からないものなのだろうと思った。
そして、ああそうかと納得もする。
誰に言われなくても、むしろ止められても勉強をしようとしたハル。
いつだって、とても真面目に一人、黙々と頑張るハル。
もしかして、誰にも求められない中で、むしろ誰からも止められる中で、一人その意志を貫こうとするのは、オレが思うよりずっと辛い事なのかも知れない、そう、初めて気が付く。
「……ハル」
力いっぱい頑張りたいのに、頑張れない。余力がある時だって止められる。
一人、今のままでいいじゃないと言われる。
もう、それだけできたら十分だと言われる。
だけど、誰かが言う「大丈夫」なんて言葉は、ハルには不安の元でしかなかったのかも知れない。
例えその時、学年トップクラスにいたとしても、体調を崩して長期入院でもしようものなら、呆気なく、一気に転がり落ちる可能性があるのだから……。
実際には、ハルはずっといい成績を保ち続けていた。
多分、ハルはそのために、ずっと、誰が「しなくていい」と言っても、できる限りの努力をし続けていた。
「……なんでかな?」
ハルはポツリと言った。
「けっこう、元気な時だって、無理するなって言われるの」
「……ごめんね、ハル」
多分、その筆頭はオレだ。
ハルはオレの言葉を聞くと、目を大きく見開いて驚いたような表情を見せた。



