わたしが呆然としている間に、えみちゃんは興奮した様子でどんどんおしゃべりを続ける。
……なんか、色々と誤解も混じっているみたいだけど、どうしよう?
高等部からの友人たちは、わたしがお嫁に行ったんじゃなくて、カナがお婿に来たのだって、よく知っている。
だけど誰から聞いたのか、えみちゃんの知っている話は多分、まわりまわってどこかでおかしくなってしまっている。
「あの、えみちゃん……」
「あ、ごめん! なんか、すごく興奮して、わたしばっかりいっぱいしゃべっちゃった」
えみちゃんは、わたしの小さな声にもちゃんと反応してくれて、おしゃべりをスッと止めた。
そんな素直な反応にも戸惑う。
「えっと、何か聞きたいことがあったんだっけね?」
と、言葉が出ないわたしに、えみちゃんは助け舟を出してくれた。
頬杖をついて、
「なんでも、どうぞ?」
と聞かれると、さて、どう話そうと、また迷いが出る。
だけど、迷っていても仕方がない。こんなところまで連れてきておいて、何も聞かないという選択肢はない。
「あの、ね。今日のお昼……」
「うん」
「えみちゃんが、『叶太くん、かわいそう』って言ってるの、聞いちゃって」
「え?」
えみちゃんが、小首を傾げた。
「そんなこと、言ったっけ?」
と言うえみちゃんの表情に、嘘はなかった。
だけど、数秒後、
「あ!」
とえみちゃんは笑った。
「なに、ハルちゃん、あれ聞いて、気になっちゃったんだ?」
身を乗り出してくるえみちゃん。
……なんか、色々と誤解も混じっているみたいだけど、どうしよう?
高等部からの友人たちは、わたしがお嫁に行ったんじゃなくて、カナがお婿に来たのだって、よく知っている。
だけど誰から聞いたのか、えみちゃんの知っている話は多分、まわりまわってどこかでおかしくなってしまっている。
「あの、えみちゃん……」
「あ、ごめん! なんか、すごく興奮して、わたしばっかりいっぱいしゃべっちゃった」
えみちゃんは、わたしの小さな声にもちゃんと反応してくれて、おしゃべりをスッと止めた。
そんな素直な反応にも戸惑う。
「えっと、何か聞きたいことがあったんだっけね?」
と、言葉が出ないわたしに、えみちゃんは助け舟を出してくれた。
頬杖をついて、
「なんでも、どうぞ?」
と聞かれると、さて、どう話そうと、また迷いが出る。
だけど、迷っていても仕方がない。こんなところまで連れてきておいて、何も聞かないという選択肢はない。
「あの、ね。今日のお昼……」
「うん」
「えみちゃんが、『叶太くん、かわいそう』って言ってるの、聞いちゃって」
「え?」
えみちゃんが、小首を傾げた。
「そんなこと、言ったっけ?」
と言うえみちゃんの表情に、嘘はなかった。
だけど、数秒後、
「あ!」
とえみちゃんは笑った。
「なに、ハルちゃん、あれ聞いて、気になっちゃったんだ?」
身を乗り出してくるえみちゃん。



