自宅のリビングとダイニングで行われた誕生日パーティは、屋外までの開放感はないまでも、アットホームで温かい空気に満ち溢れていた。
たくさんの贈り物をいただき、お義母さまが作ってくれた大きなホールケーキのロウソクを吹き消し、沙代さんが切り分けてくれたケーキがみんなに行き渡った時、わたしはリビングの片隅に置いてあった紙袋を手に取った。
「陽菜?」
ママが不思議そうにわたしを見た。
「あのね、……いつもありがとう」
誰から配ろうといっぱい悩んだ。やっぱり広瀬のお義父さまとお義母さまからかなとか、おじいちゃん、おばあちゃんかなとか。だけど、結局、わたしの動きに気がついて声をかけてくれたママを最初にした。
わたしが袋を覗き込むと、隣にいたカナが袋を引き受け、口を大きく開けてくれた。その中から、赤いラッピングを選ぶ。
「はい」
そう言って渡した小さな包みをママは不思議そうに受け取ってくれる。
「……これは?」
ママの隣にいたパパも不思議そうにママの手元を覗き込む。
「えっとね、いつもありがとうの、お礼の気持ち……です」
面と向かってこんなことを言うのは、ちょっとだけ恥ずかしい。けど、少しばかりつっかえながらも、ちゃんと笑顔を添えて言うことができた。
「はい、パパにも。……いつもありがとう」
そう言って、青い包みを渡す。
気がつくと、おしゃべりの花が咲いていたはずのみんなは、わたしの方に注目していた。
恥ずかしいという思いが頬を染める。だけど、なぜか期待に満ち溢れた温かい視線に包まれて、わたしの心もポカポカあったかくなる。幸せな気持ちのまま、次々にプレゼントを手渡していく。
たくさんの贈り物をいただき、お義母さまが作ってくれた大きなホールケーキのロウソクを吹き消し、沙代さんが切り分けてくれたケーキがみんなに行き渡った時、わたしはリビングの片隅に置いてあった紙袋を手に取った。
「陽菜?」
ママが不思議そうにわたしを見た。
「あのね、……いつもありがとう」
誰から配ろうといっぱい悩んだ。やっぱり広瀬のお義父さまとお義母さまからかなとか、おじいちゃん、おばあちゃんかなとか。だけど、結局、わたしの動きに気がついて声をかけてくれたママを最初にした。
わたしが袋を覗き込むと、隣にいたカナが袋を引き受け、口を大きく開けてくれた。その中から、赤いラッピングを選ぶ。
「はい」
そう言って渡した小さな包みをママは不思議そうに受け取ってくれる。
「……これは?」
ママの隣にいたパパも不思議そうにママの手元を覗き込む。
「えっとね、いつもありがとうの、お礼の気持ち……です」
面と向かってこんなことを言うのは、ちょっとだけ恥ずかしい。けど、少しばかりつっかえながらも、ちゃんと笑顔を添えて言うことができた。
「はい、パパにも。……いつもありがとう」
そう言って、青い包みを渡す。
気がつくと、おしゃべりの花が咲いていたはずのみんなは、わたしの方に注目していた。
恥ずかしいという思いが頬を染める。だけど、なぜか期待に満ち溢れた温かい視線に包まれて、わたしの心もポカポカあったかくなる。幸せな気持ちのまま、次々にプレゼントを手渡していく。