「おはよう、ハル」
カナはわたしの髪をなで、嬉しそうに笑った。
「……おはよう」
ぼんやりと、かすれる声で返事を返すと、カナはまたにこりと笑った。
「のど乾いてない? お水飲む?」
「……ん。飲む」
「じゃ、ベッド起こそうか」
カナはそう言って、ベッドサイドのリモコンを手に取った。
ウィーンと小さな機械音がして、背中部分が起きあがる。まだ寝ぼけたままの身体が傾ぐと、カナが支えてくれた。
カナがお水の入ったコップを手に取るのを見て、酸素マスクを外した。
「はい」
「ありがとう」
と受け取ろうと思ったのに、寝起きの手には力が入らなかった。カナには想定内だったみたいで、そのまま手を添えて、コップを口元まで運んでくれた。
ゴクリと一口飲んだ水は冷たくて美味しかった。
「ご飯、食べられそう?」
見ると、テーブルにはお昼と同じようにおかゆと、その他に煮物と果物が乗ったトレーが置かれていた。
食べなきゃと思いつつ、食べられる気がしない。
固まっていると、カナがくすっと笑って、
「ちょっと待っててね」
と席を立った。
どこからか紙袋を持ってきたと思うと、カナは夕食のトレーをソファの方のテーブルに移動した。
そして、膝の上に置いた紙袋から、
「これならどうかな?」
と小振りなタッパーを取り出した。
カナはわたしの髪をなで、嬉しそうに笑った。
「……おはよう」
ぼんやりと、かすれる声で返事を返すと、カナはまたにこりと笑った。
「のど乾いてない? お水飲む?」
「……ん。飲む」
「じゃ、ベッド起こそうか」
カナはそう言って、ベッドサイドのリモコンを手に取った。
ウィーンと小さな機械音がして、背中部分が起きあがる。まだ寝ぼけたままの身体が傾ぐと、カナが支えてくれた。
カナがお水の入ったコップを手に取るのを見て、酸素マスクを外した。
「はい」
「ありがとう」
と受け取ろうと思ったのに、寝起きの手には力が入らなかった。カナには想定内だったみたいで、そのまま手を添えて、コップを口元まで運んでくれた。
ゴクリと一口飲んだ水は冷たくて美味しかった。
「ご飯、食べられそう?」
見ると、テーブルにはお昼と同じようにおかゆと、その他に煮物と果物が乗ったトレーが置かれていた。
食べなきゃと思いつつ、食べられる気がしない。
固まっていると、カナがくすっと笑って、
「ちょっと待っててね」
と席を立った。
どこからか紙袋を持ってきたと思うと、カナは夕食のトレーをソファの方のテーブルに移動した。
そして、膝の上に置いた紙袋から、
「これならどうかな?」
と小振りなタッパーを取り出した。



