高校生になってもそれは同じで……。更に体調も少しずつ悪くなっていき、入院や手術も増えて、勉強をどうのと気にする余裕もなくなっていった。
それでも、いつだって不安は付きまとい、わたしは今も体調が許す限りの無理を自分に課す……。
……ああ、そうか。
……それがダメなのか。
だけど、そう気が付いても、じゃあどうすれば良かったのかなんて、答えは出なかった。
☆ ☆ ☆
「……ル。……ハル、夕飯、来たよ」
カナの声と優しく髪をなでられる感触に、ゆっくりと意識が今に戻る。
のっそりと目を開けると、いつもは白っぽい病室が夕陽に染まっていた。
その景色をぼんやり目にしながら、あれ? と思う。
何かすごく楽しくない夢を見ていた気がする。だけど、どんな夢だったのか思い出せない。ただ、みぞおちの辺りに感じるもやもやした重いものが、嫌な夢の存在を教えてくれた。
ああ、そうだ。
とカナに呼ばれたことを思い出し、声がした方に顔を向けると、そこには、夕陽を受けて赤みがかったカナの笑顔があった。
その柔らかな表情を目にすると、心のどこかにくすぶる苦い思いはスーッと溶けて消えていった。
それでも、いつだって不安は付きまとい、わたしは今も体調が許す限りの無理を自分に課す……。
……ああ、そうか。
……それがダメなのか。
だけど、そう気が付いても、じゃあどうすれば良かったのかなんて、答えは出なかった。
☆ ☆ ☆
「……ル。……ハル、夕飯、来たよ」
カナの声と優しく髪をなでられる感触に、ゆっくりと意識が今に戻る。
のっそりと目を開けると、いつもは白っぽい病室が夕陽に染まっていた。
その景色をぼんやり目にしながら、あれ? と思う。
何かすごく楽しくない夢を見ていた気がする。だけど、どんな夢だったのか思い出せない。ただ、みぞおちの辺りに感じるもやもやした重いものが、嫌な夢の存在を教えてくれた。
ああ、そうだ。
とカナに呼ばれたことを思い出し、声がした方に顔を向けると、そこには、夕陽を受けて赤みがかったカナの笑顔があった。
その柔らかな表情を目にすると、心のどこかにくすぶる苦い思いはスーッと溶けて消えていった。



