担任がいない、決まった教室がない、そんな状態でハードな課題がたくさん出て、更に放課後にもグループでの活動が出てくるかも知れないとか。そんな心身に大きな負担がありそうな状況に、ハルを一人で放り込める訳がない。
と言う訳で、班活動が中心となるこの授業で、約束通り学校側はさり気なく(はないかも知れないけど)オレたちを同じ班にしてくれていた。
「ハルちゃんいないと、今日の課題、結構大変かも?」
「何気に、ハルちゃんすごいよな」
「そうそう。自己主張とか全然しないのに、不意に核心を突いた一言が出てきて、一瞬で場の空気変わるよね」
今井が心底感心しているという感じで海堂に話しかける。
そうなんだ。
これまでも常々、ハルは頭がいいと思っていた。だけど、どうやらハルの頭脳は、ただ成績がいいというような頭の良さだけじゃないらしい。大学入学以来、それをまざまざと見せつけられている。
「あれ、ハルちゃんは?」
本城柚希(ほんじょうゆずき)と河野亮也(かわのりょうや)が連れ立って到着。ハルを除いた全員が集合した。
「ハルは熱出ちゃって、今日はお休み」
「そっか、一人で大丈夫?」
「……ん? ああ、家に人いるから大丈夫」
そう言えば、プライベートな話はほぼしていない事を思い出す。
仮にハル以外、家に誰もいないような状態だったら、オレは絶対、学校になんて来ていない。大学から一緒になったヤツらが、そんなことを知るはずもないけど。
「お母さんか誰かに来てもらってるの?」
……ん?
ああ、ハルとオレの二人で暮らしてると思ってるのか。
「いや、」
と続けようとしたところで、先生が助手数名伴って入室し、オレたちの雑談も終了した。
☆ ☆ ☆
と言う訳で、班活動が中心となるこの授業で、約束通り学校側はさり気なく(はないかも知れないけど)オレたちを同じ班にしてくれていた。
「ハルちゃんいないと、今日の課題、結構大変かも?」
「何気に、ハルちゃんすごいよな」
「そうそう。自己主張とか全然しないのに、不意に核心を突いた一言が出てきて、一瞬で場の空気変わるよね」
今井が心底感心しているという感じで海堂に話しかける。
そうなんだ。
これまでも常々、ハルは頭がいいと思っていた。だけど、どうやらハルの頭脳は、ただ成績がいいというような頭の良さだけじゃないらしい。大学入学以来、それをまざまざと見せつけられている。
「あれ、ハルちゃんは?」
本城柚希(ほんじょうゆずき)と河野亮也(かわのりょうや)が連れ立って到着。ハルを除いた全員が集合した。
「ハルは熱出ちゃって、今日はお休み」
「そっか、一人で大丈夫?」
「……ん? ああ、家に人いるから大丈夫」
そう言えば、プライベートな話はほぼしていない事を思い出す。
仮にハル以外、家に誰もいないような状態だったら、オレは絶対、学校になんて来ていない。大学から一緒になったヤツらが、そんなことを知るはずもないけど。
「お母さんか誰かに来てもらってるの?」
……ん?
ああ、ハルとオレの二人で暮らしてると思ってるのか。
「いや、」
と続けようとしたところで、先生が助手数名伴って入室し、オレたちの雑談も終了した。
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