「……課題、面白かった?」

「そうだな。うん、なかなか興味深い、かな。……ねえ、ハルちゃん、同じ授業の課題、叶太のもある?」

「カナの?」

「うん。もしよかったら、見せて欲しいな」

「えっと、……少し待っててね?」

 とカナの机に向かう。

 同じメーカーの色違いのバインダーを使っているから、すぐに分かる。

 晃太くんになら、見せても良いよね?

「はい、お待たせしました」

 晃太くんがちょうど紅茶を飲んでいるところだったから、取り出したバインダーは机の上に置いた。

「ありがとう。見せてもらうね」

 晃太くんはマグカップを机に置くと、今度はカナの課題を読み始める。

 わたしがもらうのとは枚数が違っていて、カナのバインダーの中身は大分薄い。

 カナの椅子に座って覗き見ると、晃太くんが丁寧に読んでいるのは、先生からの評価やコメントが書かれているページだった。

 たまに、カナに質問されるから、わたしもカナのもらっている課題を見ることはある。確かに、晃太くんが気にするのも道理なのかも知れない。それくらい、カナがもらっている課題は簡単だった。

 ううん。そうじゃなくて、カナの方が普通。
 他の子たちがもらっているのも、カナと同じようなものだもの。

 課題の提出期限はもらってから二週間以内。だけど、一週間で提出できたら、次の課題をもらえるというシステム。やる気満々の子は毎週次の課題をもらい、先へ先へと進めている。でも、少しでも楽したい子はできていても二週間目に提出しているみたい。