出入り口の辺りはクラス別に人だかりができている。
「陽菜が泣くと、わたしも泣けて来ちゃうよ~」
そう言って、ポロリと涙をこぼす志穂。
「ハルちゃ~ん、大学入っても仲良くしてね~!」
ハルを中心に、みんな同じ大学(しかも隣の敷地)に行くのに半べそな女子たち。
それを見て、
「お前、泣ける?」
「いや。まあ、寂しくはあるけど」
なんて生温かく見守る男子たち。
「とにかく、記念写真撮ろうぜ」
「そうそう。部活の後輩たちも待ってるし、解散前に写真撮ろう」
「おーい、3の3、集合~!」
委員長が上げた声に、みんながあの木の下で撮ろうとか、やっぱ校舎をバックだろうとか盛り上がる。
オレは女子の中心に割って入ってハルを迎えに行く。
「ハール、写真撮るよ」
「……カナ」
「あー。ハル、目、真っ赤」
ハルの目にはまだ大粒の涙が盛り上がっていた。オレはポケットからハンカチを取り出して、その涙を拭う。
「ありが、とう」
そう言いながらも、拭った端から涙があふれ出す。
「牧村夫妻、ほら早く真ん中入って~!」
志穂の呼び声に周りが吹き出す。
「なんだよ、夫妻って」
思わず笑いながら返すと、志穂がからかうように言った。
「何も間違ってないじゃん。それとも、なに、もう陽菜に捨てられそう? 夫婦はおしまい?」
「なわけないでしょ? ねえ、ハル」
周りのテンポに付いていけずにぽかんとしているハルの肩を抱き、言われるままに真ん中に入る。
ハルを挟んで反対側の隣には、ちゃっかり志穂が収まっていた。
「陽菜、気合いで笑うよ?」
と志穂がハルの背をポンポンと叩くと、ハルはこくりと頷いて、手にしたハンカチで涙をぬぐった。
「陽菜が泣くと、わたしも泣けて来ちゃうよ~」
そう言って、ポロリと涙をこぼす志穂。
「ハルちゃ~ん、大学入っても仲良くしてね~!」
ハルを中心に、みんな同じ大学(しかも隣の敷地)に行くのに半べそな女子たち。
それを見て、
「お前、泣ける?」
「いや。まあ、寂しくはあるけど」
なんて生温かく見守る男子たち。
「とにかく、記念写真撮ろうぜ」
「そうそう。部活の後輩たちも待ってるし、解散前に写真撮ろう」
「おーい、3の3、集合~!」
委員長が上げた声に、みんながあの木の下で撮ろうとか、やっぱ校舎をバックだろうとか盛り上がる。
オレは女子の中心に割って入ってハルを迎えに行く。
「ハール、写真撮るよ」
「……カナ」
「あー。ハル、目、真っ赤」
ハルの目にはまだ大粒の涙が盛り上がっていた。オレはポケットからハンカチを取り出して、その涙を拭う。
「ありが、とう」
そう言いながらも、拭った端から涙があふれ出す。
「牧村夫妻、ほら早く真ん中入って~!」
志穂の呼び声に周りが吹き出す。
「なんだよ、夫妻って」
思わず笑いながら返すと、志穂がからかうように言った。
「何も間違ってないじゃん。それとも、なに、もう陽菜に捨てられそう? 夫婦はおしまい?」
「なわけないでしょ? ねえ、ハル」
周りのテンポに付いていけずにぽかんとしているハルの肩を抱き、言われるままに真ん中に入る。
ハルを挟んで反対側の隣には、ちゃっかり志穂が収まっていた。
「陽菜、気合いで笑うよ?」
と志穂がハルの背をポンポンと叩くと、ハルはこくりと頷いて、手にしたハンカチで涙をぬぐった。



