……数時間?

 だけど、起きてる時間だけ考えるとカナにとっては後数時間なのかも知れない。
 わたしの場合、電話が終わったらすぐに寝るとして、感覚的には一時間後とか、そんなくらいかな?

 そっか。本当に、後少しなんだ。

 だって、多分、カナは朝一番で戻って来るから。

 そう思うと、自然と笑みが浮かんで来る。明日の朝が、楽しみで楽しみで仕方ない。

「あ、そうそう」

「ん? なあに?」

「そんな訳で、オレ、結構パソコン歴長くて、入力したりは全然苦にならないから、ホント、ハルはあんまり無理しないでね? 大体、ブルーライトカットフィルターを使ったって、やっぱり疲れるでしょう?」

 前よりはずっと良いけど、本を読むのとパソコン画面を見るのだったら、そりゃ、本を読む方がずっと楽だ。と感じるくらいには、疲れているのかも知れない。

「……そうかな」

「そうそう。体調崩した後なんだから、目も休めた方がいいよ。……と言う訳で、そろそろ寝ようか?」

 時計を見ると、もう8時半だった。

「うん」

「おやすみ、ハル」

「おやすみなさい、カナ」

 大好きだよ、と言いたかったのだけど、恥ずかしくて、何となく口にしそびれてしまった。