夜に電話をくれると言う言葉に、思わず笑みが浮かぶ。

 昨日は、カナの声を聞けなかった。顔も見られなかった。
 だから、今日の夜が楽しみ。

 カナからのメールを読み返しながら、ベッドに横になっていたら、わたしはまた眠ってしまった。



 そして、夜、ベッドで横になって、昨日、受けられなかった授業の教科書を読んでいると、カナから電話がかかってきた。

「ハル? 遅くにごめんね? 大丈夫?」

 開口一番、カナはわたしを気遣う言葉を並べる。

「まだ起きてるし、大丈夫だよ」

 普段の就寝時間が夜9時と言うのは、カナもよく知っていること。今は夜の8時前だもの。普通なら起きている。

「体調はどう? 少しは楽になった?」

 電話をしてくれるくらいだから、カナはわたしの体調がそんなに悪くないと分かってくれていると思ったけど、やっぱり心配は心配みたい。

 晃太くん、一体、どんな風に話したのかな……。

「カナ、メールにも書いたけど、わたし、もう大丈夫だし元気だよ?」

 元気いっぱいってことはないけど、この調子なら、今日一晩寝れば、もし明日が学校の日でもちゃんと行けると思う。それくらいには元気になった。

「ごめん、ハル。夕飯も食べられたみたいだし、朝も昼もちゃんと……少しでも食べられてたみたいだし、そんなに体調悪くないって分かってるんだよ」

「うん。よかった」

 それを聞いてほっとする。

 カナが心配性なのはいつものことだものね。

「だけどね、顔が見えないから、やっぱり心配」

「わたしも顔見たいから、パソコンからかけなおすよ」

 そう言ったのに、カナの心配性はかなり重症みたい。