「ところで、2人は付き合ってるのかい?」
急にそんなことを聞かれて、声が出ないくらいに驚く。
対して、清さんはにこやかだ。
「なっ、だーかーらー!違うって前も言ったじゃん!」
隣の流川くんを見ると、照れているような、怒っているような表情をしていた。
少なくとも、ホテルのときのような平然な顔じゃない。
「はははっ、すまんすまん。2人を見ていると、野暮な質問をしたくなってしまってね」
心底楽しそうに笑う清さんと、ムッとしている流川くん。
流川くんが家に来て説得に来てくれたときや、この旅行中、彼は私よりも大人に見えた。
でも今の流川くんは等身大の高校生に見えて、なんだか不思議な気持ちになる。
同い年なんだから当たり前なのに。
「ふふっ」
思わず笑いがこぼれてしまって、流川くんと目が合う。
「ちょ、凛月まで、何笑ってんの!」
「ふふふ、ごめんね。流川くんもそんな表情するんだなと思って」
くすくす笑っていると、流川くんは「もー……」と言いながら頭をかいた。
「いい?じーちゃん。俺と凛月は、友達だからね」
「ああ、わかったわかった。凛月さん、千那と仲良くしてくれてありがとう」
優しく微笑んでくれる清さんは、とてもいい人だ。
私の周りの大人はほとんどこういうふうに接してくれないから、なんだか新鮮な気分だった。
「いえ、私の方が流川くんにお礼を言わないといけない立場なので……」
「そんなことないよ。俺の方こそありがとう、凛月」
「えっ、ううん……こちらこそありがとう」
とても温かい空間だった。
きっとあの家にいても、味わえないような空気。
ほとんど会うことのない、私の祖父と祖母に会いたくなった。
急にそんなことを聞かれて、声が出ないくらいに驚く。
対して、清さんはにこやかだ。
「なっ、だーかーらー!違うって前も言ったじゃん!」
隣の流川くんを見ると、照れているような、怒っているような表情をしていた。
少なくとも、ホテルのときのような平然な顔じゃない。
「はははっ、すまんすまん。2人を見ていると、野暮な質問をしたくなってしまってね」
心底楽しそうに笑う清さんと、ムッとしている流川くん。
流川くんが家に来て説得に来てくれたときや、この旅行中、彼は私よりも大人に見えた。
でも今の流川くんは等身大の高校生に見えて、なんだか不思議な気持ちになる。
同い年なんだから当たり前なのに。
「ふふっ」
思わず笑いがこぼれてしまって、流川くんと目が合う。
「ちょ、凛月まで、何笑ってんの!」
「ふふふ、ごめんね。流川くんもそんな表情するんだなと思って」
くすくす笑っていると、流川くんは「もー……」と言いながら頭をかいた。
「いい?じーちゃん。俺と凛月は、友達だからね」
「ああ、わかったわかった。凛月さん、千那と仲良くしてくれてありがとう」
優しく微笑んでくれる清さんは、とてもいい人だ。
私の周りの大人はほとんどこういうふうに接してくれないから、なんだか新鮮な気分だった。
「いえ、私の方が流川くんにお礼を言わないといけない立場なので……」
「そんなことないよ。俺の方こそありがとう、凛月」
「えっ、ううん……こちらこそありがとう」
とても温かい空間だった。
きっとあの家にいても、味わえないような空気。
ほとんど会うことのない、私の祖父と祖母に会いたくなった。



