夜明け3秒前



ぼふんとベッドに寝転がって、リラックスする。
ご飯を食べた後、しばらく休憩してから大浴場へ行った。


広いし綺麗だったけれど、カゴはどれを使っていいのか、タオルはどうしたらいいのか……
わからないことばかりで大変だった。


流川くんに聞くわけにもいかないしオロオロしていると、20代くらいのお姉さんが丁寧に教えてくれて助かった。
あのお姉さんがいなかったら、一生迷子だったと思う……


だけど問題はまだあって、髪の毛や体を洗ったあとお湯につかっていると、母くらいの年齢の人に話しかけられた。


『お姉ちゃん、1人なの?』、『どこから来たの、年齢は?』という風に、30分くらいは話していたと思う。
こんな風に知らない人と話すのは初めてで、だいぶ緊張してしまった。

でも、お喋り上手な彼女の話を聞くのは思った以上に楽しくて、そうこうしている間にのぼせてしまった。
いつも長風呂じゃないし、ちゃんと自分のことは自分でわかるようにしなくちゃ。


だいぶ心配をかけてしまったし……
反省していると、もう12時を過ぎていることに気づく。


旅行1日目、長いようで短かったな。
麻妃、どうしてるだろう。


お母さんたちは、私がいないから平和にやってたりするのかな。
そうやって考えているうちに、いつのまにか深い眠りに落ちていた。