一言一言を噛みしめて、しっかり受け止めた。
私なんかにはもったいないくらいで、それでも飛び跳ねるくらい嬉しい。


「……私も、心配してくれてたのに"大丈夫"ってずっと誤魔化してごめんね。麻妃のこと理解してるつもりになって、ちゃんと考えてなかった、ごめんね。ずっと傷つけて、ごめんなさい」


母のときのように頭を下げる。
でも、一緒じゃない。


私のこの気持ちも、聞いてくれている相手の態度も。


「麻妃、私も友達でいてほしい。一緒にいることで迷惑かけて、傷つけちゃうけど……それでも、隣にいてほしい」


言った、言い切った。
本音を相手に話すことが、こんなに難しくて恥ずかしくて、スッキリするものだなんて、知らなかった。


麻妃を見ると、綺麗な瞳がキラキラ輝いて、スーッと頬を伝っていく。


「っえ!ま、麻妃大丈夫!?」


まさか泣かせてしまうなんて思わなくて焦る。
どうしたらいいかわからず、とりあえずハンカチを渡した。


「ふ、ふふ、ごめん……安心したら泣けてきちゃった」


おかしそうに笑うけれど、涙は止まりそうになく、ポロポロと流れ落ちる。
こんな場面に遭遇したことなんてなくて、心臓はさっきよりも速く動いている気がする。


「あーあ、もう……凛月ったら、ひどいね」
「うん。ふふ、お互い様だよ」


人生で初めての友達との喧嘩、仲直り。
お互いに傷つけても隣にいると決めた日。


「「ありがとう」」


その言葉に、たくさんの意味を込めて、そして込められていて。
温かいこの想いが、私たちを笑顔にしてくれた。