「……ありがとう、流川くん。私、頑張る」

「うん。凛月と友利なら大丈夫だよ」



彼にそう言われると、なぜか本当に大丈夫だと思ってしまうんだから不思議だ。
だけど、もうこの気持ちは揺るがない。



「それじゃ、そろそろ行くな。送ってくれてありがとう」


「ううん、こちらこそありがとう!」



感謝の気持ちを込めてお礼を言う。
流川くんは微笑むと、バイバイと手を振ってくれた。



「旅行のこと、またメールする」

「わかった。気を付けて帰ってね」



私も手を振り返すと、彼は改札を通って階段を上っていく。
見えなくなると私も帰路に就いた。



携帯を開けて、麻妃にメールをする。



『明日もし空いてたら、いつものファミレスで私と話をしてくれませんか』



感情のままに文字を打って、そのまま送信ボタンを押した。
心臓が痛いほどドキドキしているのがわかる。



返信がこなかったらどうしよう、それ以前に、もしブロックされていたら……
電話、したほうがいいかな……仕事中かもしれないし、やめておいた方がいい?



ひとりでぐるぐる考えていると、ピコンと通知がくる。
見てみると麻妃からのようで、『わかった』と返事が来ていた。


嬉しいような苦しいような、この先を考えてなんともいえない感情が襲ってきて、家まで走った。

母に出かける許可をもらわなければ。
ううん、絶対にもらって、麻妃と会うんだ。