麻妃の言葉を聞いたとき、まさに青天の霹靂だった。
そんな考え方があるだなんて、そのときまで知らなかったから。
私が他の兄妹たちと同じように接してもらえないのは、私が何もかも劣っているから。
だから、私が悪い。
だけど、そうは思わないと言ってくれる人がいた。
子どもを産んだなら、育てるなら、みんな平等に愛すことが当たり前なんだと、考える人がいた。
正直、麻妃の言葉を聞いて、その通りだと自分の考えが変わったわけじゃないけれど、その言葉は私を救ってくれた。
「……私は麻妃に助けてもらったけれど、お母さんはすごく怒って……今でも麻妃のこと、その……すごく嫌っているみたいだから」
激怒する母の顔が思い浮かぶ。
私が悪いのに、麻妃のことまで悪く言う母の言葉はまるで弾丸だ。
彼女は私を救ってくれたのに、私は彼女に何もできていない。
それどころかこうして迷惑をかけているなんて。
「だから、流川くんの気持ちは本当に嬉しいんだけど、お母さんが流川くんにも酷いことするかもしれないから――」
一緒に来ないでほしい、そう言おうとした。
だけど、
「わかった」
と、まるで何かひらめいたみたいな顔をして流川くんが言うから、口に出せずに消えていく。
そのかわり、え?と小さな声が自分から出た。
わかったってどういう意味?
そんなことがあったなら、と諦めてくれたのかな。
でも、彼の表情はとてもじゃないけれど、じゃあ止めます、と言うような雰囲気じゃない。
「そっか、そういうことならまだなんとか……」
流川くんは何やらつぶやいているけれど、私には全くわからない。
今の話で、何か彼のためになる部分があったのかな。
ぐるぐる考えこんでいると、「凛月」と呼ばれる。
「あんまり話したくない内容だったと思うのに、話してくれてありがとな」
「え、ううん、それは全然……大丈夫」
確かに誰にでも言いふらすような内容ではない。
だけど、流川くんには話してもいいと思って、自分で言ったことだから。
そんなことでお礼を言われるのは、なんだか嬉しいような逆に申し訳ないような、変な気分だ。
「それで、話を聞いて思いついたんだけど……」
うーん、と悩んでいる素振りを見せたかと思うと、私の方を見て優しく微笑んだ。
「凛月、一度でいいから、俺のこと信じてくれない?」
そんな考え方があるだなんて、そのときまで知らなかったから。
私が他の兄妹たちと同じように接してもらえないのは、私が何もかも劣っているから。
だから、私が悪い。
だけど、そうは思わないと言ってくれる人がいた。
子どもを産んだなら、育てるなら、みんな平等に愛すことが当たり前なんだと、考える人がいた。
正直、麻妃の言葉を聞いて、その通りだと自分の考えが変わったわけじゃないけれど、その言葉は私を救ってくれた。
「……私は麻妃に助けてもらったけれど、お母さんはすごく怒って……今でも麻妃のこと、その……すごく嫌っているみたいだから」
激怒する母の顔が思い浮かぶ。
私が悪いのに、麻妃のことまで悪く言う母の言葉はまるで弾丸だ。
彼女は私を救ってくれたのに、私は彼女に何もできていない。
それどころかこうして迷惑をかけているなんて。
「だから、流川くんの気持ちは本当に嬉しいんだけど、お母さんが流川くんにも酷いことするかもしれないから――」
一緒に来ないでほしい、そう言おうとした。
だけど、
「わかった」
と、まるで何かひらめいたみたいな顔をして流川くんが言うから、口に出せずに消えていく。
そのかわり、え?と小さな声が自分から出た。
わかったってどういう意味?
そんなことがあったなら、と諦めてくれたのかな。
でも、彼の表情はとてもじゃないけれど、じゃあ止めます、と言うような雰囲気じゃない。
「そっか、そういうことならまだなんとか……」
流川くんは何やらつぶやいているけれど、私には全くわからない。
今の話で、何か彼のためになる部分があったのかな。
ぐるぐる考えこんでいると、「凛月」と呼ばれる。
「あんまり話したくない内容だったと思うのに、話してくれてありがとな」
「え、ううん、それは全然……大丈夫」
確かに誰にでも言いふらすような内容ではない。
だけど、流川くんには話してもいいと思って、自分で言ったことだから。
そんなことでお礼を言われるのは、なんだか嬉しいような逆に申し訳ないような、変な気分だ。
「それで、話を聞いて思いついたんだけど……」
うーん、と悩んでいる素振りを見せたかと思うと、私の方を見て優しく微笑んだ。
「凛月、一度でいいから、俺のこと信じてくれない?」



