「お、おじいちゃん……?おばあちゃんまで、どうして……」


私が部屋に入ると、みんなが一斉にこちらを向く。
祖父と祖母に合うのなんていつぶりだろう……


ううん、驚くべきところはそれだけじゃなくて。


「お兄ちゃん……」


びっくりして声に出すと、兄は気まずそうに視線をそらした。


どうやら家族全員がこの場にそろって話をしていたみたいだ。
帰ってくることが少ない兄も、仕事が忙しい父も、ずっと会っていなかった祖父と祖母まで入れて。


「凛月、帰ったか」
「う、うん……ただいま」


戸惑いながらもう一度挨拶すると、祖母が笑顔で「おかえり」と言ってくれた。
でも笑っているのは祖母だけで、ほかのみんなの表情はとても暗い。


それに、母も父も私と目を合わせない。
そんなのよくあることだけれど、なんだか雰囲気がいつものそれとは違う。


な、なに?
すごく空気が重い……


「何かあったの」と聞けるような雰囲気じゃなくて、私はただ見守ることしかできない。


すると、祖父が重い口を開く。


「今日は凛月を引き取りに来た」