「え、全然驚いてない……ね」


麻妃のリアクションに逆に私がびっくりしている。
恋バナってこういうもの……なの?

もっとキャーキャー言うような楽しいイメージだったけれど……
今日の夜ご飯ハンバーグなんだ、って言ったときと同じテンションだ。


『まあねー。正直、好きになるんじゃないかって思ってたし』

「え!?な、なんで?」


驚いて食い気味に聞くと、あははっと笑う声が聞こえる。


『だってさ、流川綺麗な顔してるし、優しいしコミュ力も高いし。まあ悪い噂も聞かない、たぶんいいヤツでしょ。凛月と普通に仲いいみたいだしね』


彼女の口から彼を誉める言葉がスラスラ出てきて、思わず聞き入る。
こうして考えてみると、流川くんは本当に素敵な人なんだなと思う。


『それでひとつ屋根の下で暮らすってさ、遅かれ早かれ好きになるんじゃないかって思ってたんだよね』

「さ、さすが麻妃だね……」


彼女の考えていたとおりになって、なんだか小恥ずかしい。
でもそっか。


流川くんにここまで親切にしてもらって、何度も助けてくれた。
そんな彼を好きにならないはずがなかったのかもしれない。


『あはは、でもよかった!応援してるよ凛月!』
「あ、ありがとう……!」


麻妃の声が本当に嬉しそうで、私まで幸せな気持ちになる。
ちゃんと話せてよかったな。