自嘲して、気分を変えるためにベッドから起き上がる。
ブーブーと携帯が鳴る音を聞いて、麻妃と電話する約束をしていたことを思い出した。


急いで机に置いていた携帯を開いて応答のボタンを押す。


『もしもし、凛月?』

「ご、ごめんね麻妃!ちょっとお昼寝してた……」

『いいよいいよ。それにしてもあんたが昼寝とは……眠れてるならよかったわ』


安心したように笑う声を聞いて私の口元も緩む。
久しぶりに声を聞いたけれど、彼女も元気そうで嬉しい。


『それで、大事な話って?』
「あ、それは、ええと……」


話すために自分から電話したいと言ったのに、どう話したらいいかわからず言葉に詰まる。


『ま、ゆっくりでいいよ。あたし時間あるし』
「麻妃……ありがとう」


彼女の優しさで、変に緊張していた体から力が抜ける。

……うん、大丈夫。

麻妃には一番に聞いてほしかったし、ちゃんと話したい。
小さく息を吸って言葉を紡ぐ。


「あのね、私……流川くんのこと好き、になりました」


彼が初恋だから、友達に自分自身の恋バナをすることは初めてだ。

驚かれるかな、諦めなって言われるかな……
ドキドキしながら彼女の言葉を待つと、


『そっか』


と予想していなかった反応が返ってきた。