「……うーん」


意識が浮上して自然に目が覚める。
ふかふかの布団、優しい日の光、高い気温の中吹く涼しい風。

お昼ご飯を食べた後、眠気が襲ってきて抵抗せずにベッドに入った。
もうすぐ15時か……


起き上がるのがもったいなくてベッドの上でまどろむ。
頭に浮かぶのは、一昨日のキラキラしたパーティーのこと。


一日経っても脳裏に焼き付いて離れない。
眩しすぎる非日常だった。


金城さんと別れたあと流川くんのお姉さんと話した。
本当に綺麗な人で緊張したけれど、流川くんから聞いていたとおりすごく優しい人だった。



『貴女が佐藤凛月さん?』

『は、はい』

『もう弟から聞いているだろうけど、流川香奈(かな)です。さっきはお見苦しいところをお見せしてごめんなさい』

『い、いえっそんな』

『ふふ、千那からたくさん助けてもらったって聞いて。本当にありがとう』



嬉しそうに笑う顔は、本当に姉弟なんだなと思うくらい似ていて心が温まった。
パーティーが終わるまで3人で話して、それから香奈さんは帰っていった。

話したいことがたくさんあると言っていたけれど、急いでこっちに来たからやらないといけないことがたくさんあるらしい。


2人とも名残惜しそうだったけれど、夏休みもあと1週間を切ったし、きっとすぐに会える。
それに、2人を阻んでいた問題は解決したと言っていいだろうし……


だから私とは違って、きっと—


なんて、無意識に自分と比べて期待しちゃうの癖になっちゃったな。