「千那くんももうそんな年か。時が経つのは早いな」
「あはは、俺もう高校生ですからね」
2人はにこにこと笑い合っているけれど、目の奥が笑っていない気がするのはどうしてだろう……
会話に入ることもできずただ隣で話を聞いていると、突然周りの人の歓声が湧き上がった。
皆の視線が一点に集まる。
私もつられるようにして視線を向けると、そこには清さんの姿があった。
「スピーチが始まるみたいですね。からかうのもほどほどにして、そろそろお暇しましょう」
「ははっ、そうだな。それじゃあ2人とも、いい夜を」
卯月さん夫婦は挨拶をすると、仲が良さそうに腕を組んで行ってしまった。
な、なんだかすごく緊張したな……
「ごめんな、こういうことに付き合わせて」
「ううん、謝るようなことじゃないよ。楽しませてもらってるし」
流川くんは、申し訳なさそうな、傷ついているような表情から変わらない。
本当に大丈夫なのに……
「私、迷惑かけてない?こういう場、初めてだし心配で……」
「全然。凛月が隣にいてくれて嬉しいよ」
彼の表情が明るくなってほっとする。
でもそういうこと言うのはずるい。
私まで嬉しくなってしまうから。
それにしても、こういう大人の世界にお姉さんがいなくても1人でいたなんて、流川くんってすごいなあ……
私だったら怖すぎてきっと無理だ。
彼は1人でも立っていられる強さがあるのだと改めて思う。
「本日はお忙しいところにお集まりくださり、ありがとうございます」
そんなことを頭の隅で考えながら、清さんのスピーチを聞いた。
「あはは、俺もう高校生ですからね」
2人はにこにこと笑い合っているけれど、目の奥が笑っていない気がするのはどうしてだろう……
会話に入ることもできずただ隣で話を聞いていると、突然周りの人の歓声が湧き上がった。
皆の視線が一点に集まる。
私もつられるようにして視線を向けると、そこには清さんの姿があった。
「スピーチが始まるみたいですね。からかうのもほどほどにして、そろそろお暇しましょう」
「ははっ、そうだな。それじゃあ2人とも、いい夜を」
卯月さん夫婦は挨拶をすると、仲が良さそうに腕を組んで行ってしまった。
な、なんだかすごく緊張したな……
「ごめんな、こういうことに付き合わせて」
「ううん、謝るようなことじゃないよ。楽しませてもらってるし」
流川くんは、申し訳なさそうな、傷ついているような表情から変わらない。
本当に大丈夫なのに……
「私、迷惑かけてない?こういう場、初めてだし心配で……」
「全然。凛月が隣にいてくれて嬉しいよ」
彼の表情が明るくなってほっとする。
でもそういうこと言うのはずるい。
私まで嬉しくなってしまうから。
それにしても、こういう大人の世界にお姉さんがいなくても1人でいたなんて、流川くんってすごいなあ……
私だったら怖すぎてきっと無理だ。
彼は1人でも立っていられる強さがあるのだと改めて思う。
「本日はお忙しいところにお集まりくださり、ありがとうございます」
そんなことを頭の隅で考えながら、清さんのスピーチを聞いた。



