「あ!」
流川くんが急に大声を出すから、体がビクッと跳ねる。
似たようなことが前にもなかったっけ、と頭の片隅で考えてしまう。
「せっかく凛月に飲んでもらおうと思ってコーンスープ入れてきたのに、忘れてた」
視線がトレーに置いたままになっているマグカップへと向く。
彼は手に取ると、そっと優しく渡してくれた。
「ありがとう」
「どーいたしまして。ちょっと冷めちゃったかな」
こくんと一口飲むと、私の好きな優しい味がした。
やけどしないけれどまだ温かい、いい温度だ。
「……美味しい」
「よかった。もう体調も大丈夫そうだな」
そう言われて、頭がくらくらしていないことに気がついた。
それどころか、1人だとあんなに苦しかったのに、今では少し息が吸いやすいと感じるくらいだ。
彼が話を聞いてくれると言ってくれたから?
彼だって悩んでいることがあると知って、ほっとしたから?
それとも、今彼がそばにいてくれているからかな。
もしかしたら全部かも。
今なら話せるかもしれない。
少なくともさっきよりは心も落ち着いている。
まだ中身が半分くらい残ったマグカップをそっと置く。
小さく深呼吸して、手をぎゅっと胸の前で握る。
「……えっと」
「うん」
彼は優しい声で相槌を打ってくれる。
息を吸って声を出す。
「……最近、酷い夢ばっかり見るの」
少し声がかすれてしまった。
手が震える。
「夢、だけど……現実にあったことだから、苦しくて……家にいたときより眠れているはずなのに、なんだか休めている気がしなくて……」
思い出すと、治ったはずの傷が痛む。
「そしたら次は食欲がなくなって……清さんの料理は美味しいのに、食べられない自分が嫌で……清さんにも申し訳なくて、でもどうすることもできなくて、辛かった」
思っていたことを口に出して誰かに話すというのは、結構勇気がいる。
流川くんは「そっか」と言って、静かに話を聞いてくれていた。
流川くんが急に大声を出すから、体がビクッと跳ねる。
似たようなことが前にもなかったっけ、と頭の片隅で考えてしまう。
「せっかく凛月に飲んでもらおうと思ってコーンスープ入れてきたのに、忘れてた」
視線がトレーに置いたままになっているマグカップへと向く。
彼は手に取ると、そっと優しく渡してくれた。
「ありがとう」
「どーいたしまして。ちょっと冷めちゃったかな」
こくんと一口飲むと、私の好きな優しい味がした。
やけどしないけれどまだ温かい、いい温度だ。
「……美味しい」
「よかった。もう体調も大丈夫そうだな」
そう言われて、頭がくらくらしていないことに気がついた。
それどころか、1人だとあんなに苦しかったのに、今では少し息が吸いやすいと感じるくらいだ。
彼が話を聞いてくれると言ってくれたから?
彼だって悩んでいることがあると知って、ほっとしたから?
それとも、今彼がそばにいてくれているからかな。
もしかしたら全部かも。
今なら話せるかもしれない。
少なくともさっきよりは心も落ち着いている。
まだ中身が半分くらい残ったマグカップをそっと置く。
小さく深呼吸して、手をぎゅっと胸の前で握る。
「……えっと」
「うん」
彼は優しい声で相槌を打ってくれる。
息を吸って声を出す。
「……最近、酷い夢ばっかり見るの」
少し声がかすれてしまった。
手が震える。
「夢、だけど……現実にあったことだから、苦しくて……家にいたときより眠れているはずなのに、なんだか休めている気がしなくて……」
思い出すと、治ったはずの傷が痛む。
「そしたら次は食欲がなくなって……清さんの料理は美味しいのに、食べられない自分が嫌で……清さんにも申し訳なくて、でもどうすることもできなくて、辛かった」
思っていたことを口に出して誰かに話すというのは、結構勇気がいる。
流川くんは「そっか」と言って、静かに話を聞いてくれていた。



