「っ、お前....桜雷の」
「きゅ、急に出てきてなんだよ!」
突然の桜雅くんの登場に戸惑いながらも、牙を向く男のひとたち。
「へえ、俺の事知ってんの。.....なら、どーなるか分かるよな」
その言葉と同時に男の隙をついて、的確に鳩尾に拳をいれる桜雅くん。
「ぐっ....」
フラリと体勢を崩した男の人の後ろに回り込み、綺麗な蹴りを入れる。
近くで見るとわかる、圧倒的なスピード。
「今後一切、こいつに近づくな」
「....っ、覚えてろよ」
無言で睨み付ける桜雅くんに叶わないと判断したのか、そんな捨てゼリフを吐きながら、走って逃げて行く男の人。
「お、おい....っ、一人だけ逃げんなっ」
残された男の人も、怯えきった顔をしながら、慌てて逃げていく。
なんだかあっけないな....。
「....大丈夫?」
桜雅くんは、私の目線に合わせるようにしゃがみこんでくれる。